有限会社 赤塚製作所

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薄肉フランジワーク加工の工夫① (特に旋盤)


まず初めに、以下の方法は弊社設備での工夫であり、これが唯一の正解ではありません。
(ここが製造業の面白いところ。図面を満たせば方法は問われない)
限られた設備での経験からの蓄積です。
また、図面要求値(寸法、幾何公差)が高くないものに関してはこの限りではありません。
最終は研磨加工にて寸法出しという考え方もありますが、あくまでも切削での加工方法になります。

まず第一に弊社では薄肉の場合、(フランジ、円筒共に)チャッキングしないように工程を組むように考えます。
背景としては、弊社は量産会社ではないので、汎用三爪油圧チャックが各機械の仕様になっているという事があります。
ですので、専用特殊チャックなどが無い為、治具等を使い加工していく方法をとります。
しかしながら、全工程をチャッキング無しというのは、あまり現実的ではありません。

薄肉加工を汎用チャックで加工する時、大敵はチャッキングによる歪、変形です。
弊社として完成品においての精度検査は、あくまでも三次元測定機での検査結果が絶対であり、機上での寸法管理は目安程度という考えになります。

各工程ごとで歪を出さないように、または抜きながら加工してきます。

弊社の手順の手始めとして、薄肉ワークに限らず必ず行うことがあります。
それは、黒皮の全剥きを行うということです。必ずです。
小径ワークや、中実ワーク(中身が詰まっている素材)ではあまり影響が出にくいかもしれませんが、
弊社が得意としているサイズφ200~φ500程度のワークになりますと(大径になればさらに)、仕上げ加工近くまで黒皮が残っていると最終仕上げ加工後寸法や、加工までの芯出し時に1/100mmや2/100mmの違いが必ず影響が出ます。
これが完成まで足を引っ張ったり、中間加工に影響してきます。

また、機械ストロークが許すかぎり、ワークに対して小さいチャック(チャッキング時の圧力の関係)での加工にします。
最終の寸法を出すために、手間を抜かず工程を追うごとに内部応力であったり、歪を抜いていきます。

黒皮剥きの工程は仕方なくチャッキングで行う場合が多いですが、ワークの形状や材質によっては一切のチャッキングをしない場合もあります。
その後、極低圧でのチャッキング、または治具クランプにより中荒仕上げを行います。
完成寸法まで、出来る限り仕上げ代を少なくしていく工夫をします。
また、その時に一工程内での加工工程の切削方向や順番にも気を配ります。
もちろんチップメーカー、ブレーカー形状でも違いが出てきますので、使い分けをしていきます。


その②へ続きます。



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