薄肉フランジワーク加工の工夫③ (非磁性体の場合)
薄肉フランジワークの素材がアルミやステンレスなど非磁性体の場合は、磁性体に比べてもう一工夫必要になります。
黒皮剥き(チャックワーク)で出る歪をマグネットチャックや、研磨で抜くことが難しいからです。
マグネットチャックはもちろん、研磨工程は基本的にマグネットを使っての加工となるのでそもそもくっつかないとなります。
素材時の形状にもよりますが、通常薄肉ワークの場合は、ステンレスであれば溶断材、アルミであれば板切り材での自給や支給が一般的かなと思われます。
素材の反りが1/10mm台であると仮定した場合は、一番初めの工程はミーリング下加工から始めると上手くいく場合が多いです。
ミーリング下加工とは工夫②でも書いてありますが、穴(タップ)径を図面値よりも小径にて仕上げミーリングでとれてしまうくらいの径で下加工するということです。
これをする理由は、治具に貼り付けたいからのみ。
治具に貼り付けて全面黒皮剥きをしますが、ここでも一工夫必要です。
素材自体の反りがありますから、この全面黒皮剥きの時に、反りを上手く取りながら加工していくと後加工がすごく楽になりますし、
寸法や幾何公差が確保しやすくなります。この工程を手抜きすると最終仕上げ時に思わぬ反り返りや、内部応力の解放が起こって不良となる場合がありますので注意してください。
全面黒皮剥きが無事終わりましたら、あとは治具を使って順次加工していけば完成となります。