薄肉フランジワーク加工の工夫②
①の工程で黒皮剥きが終わったら、いよいよ中仕上げ加工に入っていきます。
ここで旋盤加工を進めていくにあたって、旋盤仕上げ後にミーリング加工をするのかを見極める必要があります。
最終の形状によるので、寸法公差や幾何公差が緩いものであればそのまま旋盤加工に入っても大丈夫です。磁性体の場合はマグネットチャックにて加工となります。
非磁性体の場合は一工夫必要ですが、今回は磁性体の場合でのお話を進ます。非磁性体は次で説明します。
最終の形状が旋盤形状での寸法や幾何公差の要求値が高い場合、先にミーリング加工を入れていきます。リーマ穴等の公差穴がある場合は、下穴程度で止めておきます。
旋盤を仕上げてからミーリングをすると(ミーリングの穴数等によるが)、旋盤仕上げ寸法に影響がでます。
ですから先に穴あけ等を終わらせて、歪を出しておき、旋盤にて最終の仕上げを行う方が良い方向になります。
また、ミーリングを先に行うことにより、キャップボルト用穴や、タップ穴を使って治具に貼り付けや引き込みが出来るようになる為、加工としてもメリットがでてきます。
ミーリング穴加工には厳しい寸法が通常入っている場合が少ないですが、旋盤荒加工終了時にあまりにも変形が大きそうな場合は、平面の歪抜きとして平研磨をいれたり、
穴加工を図面値より小径にして(後工程でとれる位にしておく)、旋盤中仕上げ時の治具への取り付け用穴としておく場合もあります。
ここは加工の実績から判断することになります。
あとは、治具を使って随時加工を進めていけば図面要求値を満たせる加工が出来る想定です。